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「ああぁっ!! ……はぁ、あぁ、あー、あー、あー」
 ひときわ高い嬌声の後、ルディの口からむしゃらに声が漏れました。
何度絶頂を迎えたのか、ルディにはもう分かりません。
一度だけかろうじて限界を訴えたのも、もうずいぶん前のことです。
ルディの意識はもうろうとし、口の端からあぶくになった唾液が幾筋もこぼれていました。
踏まれ、摩擦され続けたペニスは赤黒く染まり、白濁にまみれています。
今し方の絶頂が最後だったのでしょうか。ルディの瞳はうつろに宙をさまよい、
萎縮したペニスは、反応を示さなくなりました。
鞭打たれても、細い身体は僅かに震えるだけです。
 自分の無意味な喘ぎを遠くに聞きながら、ルディは混濁した頭で、
このまま続けられれば死ぬのではないかと考えました。
もはや小指1つ自分の意思で動かす力がありません。
だからもう一度だけ、心の中で、ルディはお嬢様に許しを乞いました。
 すると不意に、今まで絶え間なく続いていた激痛が圧迫と共に消えました。
長い責め苦の終わりを感じて、ルディはほっと息をつきましたが、
次の瞬間、だらしなく開いた口に固い物がねじ込まれました。
「うぐっ――」
 いつの間にかルディの顔のすぐ上に立ったお嬢様が、汚れた靴の先をルディの口に押し込んだのです。
突然のことに当然喉はむせかえり、必死で口中の異物を押し出そうとしますが、
無慈悲なつま先は留まるどころかなおも強い力で奥を目指します。
「ぐっ、うっ、ふ、ぐぅっ、う゛ー、う゛ー!」
 靴墨と精液の混じった苦い味が口いっぱいに広がり、吐き気がしました。
けれでここで靴をさらに汚すことがあってはいけないとルディは気付き、
喉に力を込めて、無理矢理衝動を押さえ込みました。
喉の痙攣は胸を上下させ、胃の中身が逆流しようとします。
それらが何とか治まった頃、ようやく靴先が引かれました。
たまらずルディは身体を横にひねって、咳き込みました。
身体に力が入り、同時に股間に鈍痛を思い出しました。
絶え絶えに息をし、ふと視線を上げると、お嬢様は椅子に腰かけ、足を組んでいました。
悠然と構え、物言わず先ほどルディが吐き出した靴を少しばかり前に突き出します。
その端正な顔は、いつものように美しい笑みを浮かべていました。
 それだけで何をすべきか理解し、ルディは不自由な体を起こしました。
そのまま膝をついて、お嬢様の足下まで這います。
布ごしにお嬢様の足に触れて、心臓が高鳴りましたが、それは畏怖のせいだとルディは思っていました。
唾液と精液に濡れた靴は明かりを写してぬらついています。
「失礼いたします、お嬢様……」
 震える喉から声を出し、ルディは黒い革に舌を這わせました。

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