「お嬢様、許して下さい…お願いです、どうか……」
怖々と、ルディは懇願しました。本当なら今すぐ逃げ出したい所でしたが、
手首と足首を縛られた状態で床の上に置かれては、身動きすらままなりません。
その哀れな召使いを見下ろす令嬢は、笑って言いました。
「何を許すというのだ」
優しげな、慈愛さえ含んだ声でした。
「お前が何か悪事を働いたのか? お前の生家のように、些細な失態に私が怒っていると思うのか?」
声を震わせながら、ルディはいいえ、とだけ答えました。
そう、この方は怒ってなどいませんでした。それが一層ルディには恐ろしいのです。
ついこの前までは、叱咤され暴力を受けても、這いつくばって謝罪の言葉を繰り返していればいつかは許されました。
怒れる者もやがて無力な少年の身体を打ち据えるのに飽きたでしょう。
けれどこの方は、そのような一時の感情の爆発でルディを虐げているのではありません。
ヒュン――
お嬢様が慣れた手つきで手首をひねると、その手から伸びたムチが空気を切りました。
まるで今から遠出に出かける騎手のような楽しげな面持ちです。
つまり、これはただの興に過ぎないのです。お嬢様にとっては召使いを虐げることなどほんの戯れです。
だから許しなどそこにないのを知って、ルディは身をこわばらせました。
そんなルディの身体を上から下まで眺めた後、お嬢様はさっきから外気に晒されていたペニスに目を留め、
そこに無造作に片足を乗せました。冷たい革靴の感触にルディの陰嚢は縮み上がります。
合わせて、繋がれた鎖が僅かに音を立てました。高いかかと部分はちょうどルディの無垢なアヌスに触れるか触れないかの所で止まり、
微妙なむずがゆさを生んでいます。押しつぶされたペニスがひくひくと震え、
目で、そして足の裏からそれを感じとったお嬢様は、声をたてて笑いました。
反対に、ルディは恥ずかしくて顔を伏せました。
そのまましばらく足を小刻みに動かして陰嚢が形を変える感触を楽しんでいると、
恐怖に怯えるルディの意識とは裏腹に、期待に震えるペニスは大きく張り出しました。
「元気のいいことだ」
そう言って、ルディが頬を染めるよりも早く、お嬢様は敏感な部分を踏みつぶすように体重をかけました。
「ひぃ」
脳を割くような痛みにルディは目を見張りました。全身からどっと汗が噴き出します。
許しを乞おうとする唇はわななくばかりで、もはや言葉になりません。
せめて潤んだ目を向けて懇願しましたが、よもや容赦などという言葉は知らないお方です。
より一層の激痛を感じて、ルディは絶望の声を上げました。