「聞いたかルディ。女中がいただろう、客間担当の。名は――そう言えば聞いていないな。
まあいい、その女中が、私の預かり知らぬ所で我が家の銀器を持ち出していたらしい。
愚かなことだな。エデルカイトの家紋が入った品を、疑いも持たず買い取る商人など我が領内にいるものか。
すぐに執事に報せが入った。それから女中頭が見当をつけ、件の女を捕らえたのが今朝方だ。
それから私が行ったときには、さんざん彼らに責められた後だったのだろうな。すっかり怯えた様子で、私が少し諭せばすぐに罪を認めて、事の次第を洗いざらい喋ったぞ。
しかし魔が差して悪事をはたらいたとはいえ、所詮ただの女中だな。私の部下ならば、死んでもその口を割るなと言いつけてあるが。
ともあれ、自白した人間を拷問しても意味はないから止めにして、その後は、少し遊んできた。
ああ、エヴァは今夜は戻らん。別の用事を言いつけた。
……ルディ、いつまで呆けているつもりだ。すぐに湯を用意しろ。これでは仕事ができん」
侍女が呆けちゃってるので自分で着替えるお嬢様。
リボンを外すまでは自分でできたものの、この後、前ボタンの多さに挫折します。