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『半身』





 シェリーとケンニヒ。
 この二人の根底には、互いを半身とし、生きるも死ぬも一緒という認識があります。その上に男と女だとかイトコだとか擬兄妹だとか主従だとかの概念が乗っかってます。本来は後半の人間関係が先行する、つまり、男と女として生まれ、イトコ同士であり、家族のように育ち、主従関係を教え込まれたわけですが、二人で戦場を駆け、生死をくぐり抜けた結果として、それらの前提条件を越えて、一蓮托生、共に戦い共に死ぬ運命共同体であるという意識でいます。
 シェリーにとって同程度に近い関係でエヴァとサヒヤがいますが、エヴァの役目は、主人に命を捧げることではなく主人の命を助けることなので、そのために自分が傷つくわけにはいかず、戦場には同行しますが戦闘には参加しません。また元々シェリーを庇ったり守ったりするような力はありません。
 サヒヤは“非”戦闘員の自覚から戦場には随行せず、あくまで日常パートでのシェリーの相手が自分の役割だと考えています。ただ彼女なりの忠義を重んじるために、覚悟だけは凄まじいものがあり、もし二人で危機的状況に陥ったときは、主をかばうか逃がすかしてシェリーより先に死ぬと思います。
 共に傷つき、最後まで戦い続けるのがケンニヒの役目です。
 シェリーはそれぞれに役を割り振るのが上手。